彼は、魔法使い
伊織も來都も、負けず嫌いだ。


だからこそ、お互いに1番の理解者だったのかもしれない。


あたしも、、、


伊織と來都と同じ、美容院に行けばよかったのかなぁ?


そしたら、あたしは自分が目指すトップスタイリストに、なれて居たのだろうか?


ふと、そんなことを思う。


視界に、カットされた髪たちがパラパラと床に落ちて行く。


そしてカットが終わったのか、持っていたハサミをシザーケースに仕舞う。


濡らした髪をドライヤーでもう1度乾かし、丁寧にブローをする。


__バサッ__


ブローが終わり、ケープとタオルが外された。


それは、完成したと言う合図。


だからあたしは、鏡越しに來都のカットをチェックする。

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