彼は、魔法使い
來都は、直樹さんのテストの結果より、あたしの感想が気になるのか、ジロジロとあたしの様子を伺う。


「いいんじゃねぇ?來都はスタイリストで」

「こんなカット、見せられちゃ、ね?」

「俺ら、何も言えねぇよな」


省吾さん、瑞穂さん、悟さんは、來都の技術を認めたようだ。


「じゃ、決まりだな」


直樹さんが、最終判断をした。


どうやら、來都はスタイリストとしてお店に立てるらしい。


まぁ、悪くはない。


伊織のカットが100点なら、來都のカットは、、、


「90」


あたしは、來都にだけ聞こえるように言った。


それに、來都は悔しそうな表情を浮かべた。

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