彼は、魔法使い
それが少し寂しく思え、來都の遠くに感じる。


先にスタートを切ったのは、あたしだったのに、、、


今じゃ、來都の背中が、、、ともて遠く感じる。


「何、ボケッとしてんだよ」


立ち尽くしていたあたしに、直樹さんが声を掛けた。


あたしは、自嘲的に笑みを溢す。


それは鏡の中で、あたしが自分自身に向けた笑みに感じた。


"あたしは、何をしていたんだ"


そう、鏡の中のあたしが問い掛けてくる。


"來都は、先を歩む人間になった。來都だけじゃない、伊織も"


そして、、、


もう、住む世界が違うと言われているようだった。

< 154 / 343 >

この作品をシェア

pagetop