彼は、魔法使い
叩かれた頭は、それほど痛いってわけじゃない。


でも、目が覚めたような気がした。


「、、、叩かないで下さいよ」


あたしは叩いてきた相手に、文句を言う。


「お前が、人の話を聞かねぇからだろ」

「聞かないんじゃなく、スルーしたんですよ。"直樹さん"の言葉だから」


あたしは、相手の名前をあえて強調したように言う。


「あ゛ぁ?」

「まぁ、來都くんに人気奪われないように"頑張って下さい"」


そして、嫌味を言い、スタッフルームへと歩き出す。


「お前、喧嘩売ってんだろ」

「そう思うなら、買わなきゃ良いじゃないですか」


なんて、大人気ない反抗をする。

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