彼は、魔法使い
來都がお店の中に入ったことで、アシスタントの子たちが気付く。


まぁ、昨日あんなこと言われたら、そう簡単には好きになれないわなぁ。


看板を手にして、そんなことを思う。


「そう言えば、芹香さん。お店に立てるんですね」


なんてことを言う。


「おめでとう。アシスタントの芹香さん」


それに、來都が嫌味たらしく言う。


「アシスタント?芹香は、レセプションだよ?」


志麻さんが聞く。


「お前、まだ話してなかったのかよ」


そういえば、まだ誰にも話してない。


「何の話だ?」


そこに、直樹さんが入ってくる。


「直樹さん。カラーしたいんで、店借りて良いっすか?」


あたしの気持ちも知らずに、來都は直樹さんと話を始める。

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