彼は、魔法使い
そんなあたしの言葉に、直樹さんは考えているような顔をする。


ダメ、だっただろうか?


「1度逃げ出した人間は、また逃げ道を作る」


それは、、、


あたしは直樹さんの言葉を、すぐに否定出来ない。


「約束出来るか?もう、逃げ道を作らないと」


直樹さんは、真っ直ぐとあたしに尋ねる。


「もう、、、逃げません」

「わかった。でも当分の間はレセプションの方とアシスタントの掛け持ちをしてもらう」

「あ、ありがとうございます」


あたしは直樹さんに深々と、頭を下げた。


「楽しみにしてる」


そう言い、直樹さんは部屋を出て行った。

あたし、また、、、美容師として、お店に立てるんだ。

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