彼は、魔法使い
「何してんだ?お前」


そんなあたしに、、、彼は、そう声を掛けた。


あたしは俯いていた顔を、ゆっくりと上げる。


「、、、直樹、さん」


あたしは、彼の、、、直樹さんの名前を口にする。


直樹さんは帰ろうとしてるのか、荷物を手にしている。


あたしは視線をゆっくりと、満天の星空へと移す。


「明日、、、晴れですよ」


なんて、誰も聞いていないことを口にする。


「は?」

「星が見える夜は、次の日が晴れだって」


そう、誰かが言っていた。


「お前、天気予報士にでもなりたいわけ?」


そんなあたしに、呆れたように直樹さんが聞く。


天気予報士、か。


「なれますかね?」


だから、そんな返事を直樹さんに返す。

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