彼は、魔法使い
「芹香ちゃんが帰って来るって、伊織(いおり)くんから聞いてたよ」


飲み物を頼むなり、鳴海さんは兄の伊織から聞いたことを話し出す。


「で、美容師を辞めたんだって?」

「まぁ」


定員さんが持って来てくれた、コーヒーを飲みながら答える。


「芹香ちゃんが美容師辞めるなんて、勿体無いね」


残念そうな顔をする。


「そんなことを言ったら、お父さんや鳴海さんだって」

「俺らは、もう良い年だよ。それに若い子たちのことを育てていく人も、居なきゃいけないだろ?」


それは、そうだけど、、、


でも、やっぱり2人には美容師(トップスタイリスト)として、お店に立っていて欲しかった。


「だけど、芹香ちゃんは俺たちとは違うだろ?」


、、、まぁ。

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