彼は、魔法使い
言いたいことがあるなら、言えば良いのに、、、


そんなことを思いながら、周りの視線をスルーした。


「志麻さん」


ミーティングが終わり、あたしは志麻さんに声を掛ける。


「今日ヘアメイクのお客さんが来るんですけど、個室って空いてますか?」

「え?あぁ、、、ちょっと待って」


そう言い、手に持っている書類をチェックする、志麻さん。


「今日は、予約入ってないから大丈夫よ。時間は?」

「今日1日、貸し切っても大丈夫ですか」

「1日?」


志麻さんは、店にも響きわたるような声を出す。


それに、スタッフの子たちがこちらの様子を伺う。


「はい。たぶん、お客さんが切れない気がするんで」


そんな話をしていると、お店のドアが開いた。

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