彼は、魔法使い
知って居る相手に、そんなことを口にするあたしは変だ。


それは、アルコールのせいだ。


なんて、お酒のせいにする。


「今、お前が俺の部屋に上がるってことが、どういうことかわかってる?」


、、、わかってない。


けど、怖いとは、不思議と思わない。


「もう、キスしたじゃないですか」


そう言い、あたしはまだハッキリと断らない直樹さんの部屋へと足を踏み入れる。


「、、、帰れ」


後ろから、そんな言葉を向けられる。


それに、胸が締め付けられるような気がした。


「キスした、責任取って下さいよ」


あたしは、負け惜しみのように言う。


キスした責任って、、、あたしは、直樹さんに何を求めてるんだろう。

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