彼は、魔法使い
直樹さんは、ため息を溢す。


あたしは不安な面持ちで、ゆっくりと振り返る。


「お前が煽ったんだから、責任取れよ」


そう言い、あたしの元へ来ると、軽々とあたしのことを抱き上げる。


そして、ベットへとあたしのことを下ろし、あたしの上に跨る。


「鈍感なお前でも、わかるだろ?これから、何しようとしてるか」


それは、、、前に直樹さんが言った『あんなことや、こんなこと』が起ころうとしてるってこと、ですよね?


こういう時、女の子たちはどんな風にするんだろう。


何をするのが、正しいんだろう。


経験のない、あたしには、、、答えを導けそうにない。


だから、さっき、、、


直樹さんがあたしにしたように、チュッと唇を重ねた。


「大人ですから、責任くらい取れます」

「その言葉、後悔すんなよ」


そう言った、直樹さんの顔が「男」の、、、顔だった。

< 280 / 343 >

この作品をシェア

pagetop