彼は、魔法使い
「出さない」と、ハッキリ言われた。


でもアランは「鳴海さんの許可は貰ってる」と、言っていた。


このお店のトップは、直樹さん。


だけど、直樹さんの上に居るは、鳴海さん。


その鳴海さんが、許可を出している。


問題は、何もない。


「、、、わかった」


少し考えた後、直樹さんが返事をする。


「それで本当に負けたら、どうすんだよ!」


來都が、あたしに言う。


「パリに戻る。スタイリストも、、、辞める」


あたしの言葉に、直樹さんも來都も眉を細める。


「アラン。約束は守ってね」(フランス語)

「もちろん。楽しみにしてるよ、ヘアショー」(フランス語)


アランは心底嬉しそうな顔をし、お店を後にした。

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