彼は、魔法使い
だから、もちろんメイクも出来ない。


ヘアショーに出る、スタイリストたちは着々とメイクを終わらせている。


「芹香」


そんなあたしに、1人のスタイリストが声を掛けた。


振り向くと、そこに居たのは、、、ユイだった。


「よかった、芹香が居て」


ユイは、あたしにそんな言葉を向ける。


「もう、、、芹香と同じステージに立てないって、思ってた」


ユイの言葉は、あたしとユイは違う世界に居ると言われて居るような気がした。


「でも、、、安心した。芹香が日本に戻って、また「スタイリストを目指してる」って、聞いて」


そう言い、昔と同じ笑顔を、ユイはあたしに向けた。

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