99%片思い

手遅れ

ピピピピピピピ

不愉快な、目覚ましの音が部屋中に響く。
あたしは、むくっと起き上がり、昨日のことを思い出す。

あのあと、あたしはテクテクと帰ってきた。

頭の中は、真っ白のまま。
整理なんて、できていなかった。

里美にでも、相談しようか?
そう思ったが、昨日カラオケから逃げ出してきた私。
するにできない。


あたしは、考えても無駄と悟り、ゆっくりと支度をはじめる。

ゆっくりすぎたか、出る時刻は遅刻寸前。
あたしは、走って走って走った。

すれ違う、小学生たちは、不思議そうな、眼差しを向ける。
段々、イライラしてくる。

まぁ、そんなところで、ようやく学校につく。

「「ゆーみー」」

そんな時、前と、後ろからとてつもなくでかい声がした。
あたしが、振り返るとそこにはーー……。

里美がいた。
里美も、急いできたのだろうか、息を切らしている。

そして、ゆっくりと前の方を指差す。

あたしは、ゆっくりと前を向きなおす。
心臓が止まるかと思った。

「よ、よう!」

右手を上げながら、軽く頭を掻く大地。

「な、なんで?」
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