アイシテルノジュモン【短篇】


同時に、彼の束縛は以前よりさらにエスカレートしていた。

休み時間ごとの電話。

出かけていても常に私がいるか監視するかのように掛かってくる電話。

お風呂やトイレで出れなくても、帰った彼は聞かず……

私を殴った。

一人での買い物も外出も禁止。

女友達と遊ぶことすら許さず。

常に携帯はチェックされ、それでも気がすまない彼は

「履歴を消しただろう?」

そう言って詰め寄る。

私の首にはしょっちゅう彼の指の跡。

仕事で帰りが遅れると、私が思いつかないようなアリバイ工作をつらつらと……いかにも私がそうしているかのように言い、浮気を疑い、私を責める。

それを聞くたびに。

アア……彼はそうやって浮気をしているのかと理解しながらも……

それでも突き放すことが出来ない。




だって彼をアイシテル。

彼も私をアイシテル。



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