アイシテルノジュモン【短篇】



「今日がなんの日か覚えてる?」

祐樹が一番お気に入りの服を着て。

祐樹の大好物ばかりを並べたテーブルには普段は飾らない花瓶も置いた。

「どうしたの? こんなのひさしぶり」

バイトから帰った祐樹は一瞬目を丸くして、でも次の瞬間凄く嬉しそうに微笑んだ。

五年たっても綺麗なままの祐樹の笑顔。

私のお気に入りの笑顔。

「質問に答えて?」

ねだるように上目づかいで見上げると、祐樹はまた微笑んで

「もちろん……初めて会った日でしょ? 忘れたことないよ……だって」

そういって私の身体を引き寄せささやく。

「アイシテルから」

甘い甘いささやき……

「うん、わたしも」

嬉しくて思わず私も顔がほころぶ。


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