アイシテルノジュモン【短篇】
バッグいっぱいにつめこまれた着換えを床に並べて、几帳面に畳み直しながら
「ここにいてもいい? ここが……いや、お姉さんが気に入ったんだ」
甘えたような声で鳴く。
屈託の無い笑顔。
どうでもよかったし、その顔はやっぱりなかなかに小奇麗で、その顔で微笑まれるのは悪い気はしなかったから。
「いいよ」
そう答えた私に、じゃれるように抱きついた猫は……
名前を祐樹という。
もっと年下かと思っていたらほんの二つ年下だった。
なんとなくはじめた共同生活。
それが恋にかわるのにそう時間はかからなかった。