アイシテルノジュモン【短篇】
「嫌なんだ、君が昔付き合っていた男と居る時に着ていた服を、僕と一緒に居る時も着てるなんて……考えただけで気が狂いそうになる」
そう言って私を抱きしめ。
「アイシテル……君を信じてるけど、いつもとても不安なんだ。
アイシテルから……少し君が遅いだけでもたまらなくなるし。
少しでも昔のことを思い出してやしないか……
そんなこと思うと苦しくて」
アイシテル
アイシテル
呪文のように……
うん。いいよ。
私もアイシテル。
だからお気に入りだったあの服のことも忘れるわ。
仕事が終わったらまっすぐ帰る。
心配させてごめんなさい。
私もあなたをアイシテル。
アイシテル
アイシテル