私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
そして今は定時近くになっているけれど、茜との待ち合わせの時間がまだあるから、ぎりぎりまでやろうとパソコンのキーボードを叩き続ける。
「定時の時間だし、あがっていいぞ」
「あともう少しだけなので、続けてもいいですか?」
「分かった…」
私なんかより姫川編集長の方が仕事の量が多いし、あまり中途半端な感じで仕事を終わらせたくないと、机の上に置いた写真や資料を何度も見ながら原稿を打ち込む。
すると私のキーボードの傍に缶コーヒ1本が置かれたので見上げると、姫川編集長が私の傍に来ていた。
「やる。俺、ちょっと席を外すから先に帰っていいからな」
「ありがとうございます」
私は缶コーヒーを手に取ってお礼を言うと、姫川編集長はじゃもじゃしている髪の毛を掻きながらフロアを出ていった。
そして缶コーヒーのプルを開けようとしたときに、付箋が貼られているのに気づく。
『あんまり根をつめんなよ』
付箋に書かれている字は走り書きっぽいけれど、姫川編集長の言葉がじわりと心に沁みこんでいく。
「苦っ…」
プルを開けて一口飲むと、苦い筈なのにほんの少し甘く感じたのは何故なんだろう。
するとスマホが震えたので画面を見ると、茜からのメールで『麻衣~、時間だけど、まだ仕事?』と書かれてあった。
「うわっ、そんな時間?」
私は急いでパソコンを終了させて、鞄を手に取ってフロアを出て行った。
「定時の時間だし、あがっていいぞ」
「あともう少しだけなので、続けてもいいですか?」
「分かった…」
私なんかより姫川編集長の方が仕事の量が多いし、あまり中途半端な感じで仕事を終わらせたくないと、机の上に置いた写真や資料を何度も見ながら原稿を打ち込む。
すると私のキーボードの傍に缶コーヒ1本が置かれたので見上げると、姫川編集長が私の傍に来ていた。
「やる。俺、ちょっと席を外すから先に帰っていいからな」
「ありがとうございます」
私は缶コーヒーを手に取ってお礼を言うと、姫川編集長はじゃもじゃしている髪の毛を掻きながらフロアを出ていった。
そして缶コーヒーのプルを開けようとしたときに、付箋が貼られているのに気づく。
『あんまり根をつめんなよ』
付箋に書かれている字は走り書きっぽいけれど、姫川編集長の言葉がじわりと心に沁みこんでいく。
「苦っ…」
プルを開けて一口飲むと、苦い筈なのにほんの少し甘く感じたのは何故なんだろう。
するとスマホが震えたので画面を見ると、茜からのメールで『麻衣~、時間だけど、まだ仕事?』と書かれてあった。
「うわっ、そんな時間?」
私は急いでパソコンを終了させて、鞄を手に取ってフロアを出て行った。