私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
「どんな人にお土産を渡すんだ?」
「お年寄りの女性なので、固い物はやめようかと思ってます」
「じゃあ、これとかいいんじゃないか」
姫川編集長は顎で商品を指すとそれは水羊羹で、渋いのを選ぶなぁ。
「羊羮…」
「水羊羹なら持ちがいいし、年寄りで嫌いな奴はそうはいないだろう」
確かにお煎餅よりも食べやすいかもしれないから、私はヒデ子婆ちゃん、ヨシハラのお爺さん、そして海斗さんの分として水羊羹を3つを手にした。
「3つも買うのか」
「お世話になった方が3人もいるからです。レジに行ってきます」
「九条、急げ。電車がきた!!」
「わわっ…」
水羊羹を手にしてお会計を済ませていると、姫川編集長が私の手を握って走り出した。
レジで買った水羊羹を落とさないように持って、走りながら視線を手に向けると、姫川編集長の手は私の手よりも大きくて、私の手はすっぽりと隠れ、うぁ…ドキドキしてくる。
「……」
姫川編集長にドキドキしているのを気づかれないように、無言のまま手を離さずに走り続けた。
「お年寄りの女性なので、固い物はやめようかと思ってます」
「じゃあ、これとかいいんじゃないか」
姫川編集長は顎で商品を指すとそれは水羊羹で、渋いのを選ぶなぁ。
「羊羮…」
「水羊羹なら持ちがいいし、年寄りで嫌いな奴はそうはいないだろう」
確かにお煎餅よりも食べやすいかもしれないから、私はヒデ子婆ちゃん、ヨシハラのお爺さん、そして海斗さんの分として水羊羹を3つを手にした。
「3つも買うのか」
「お世話になった方が3人もいるからです。レジに行ってきます」
「九条、急げ。電車がきた!!」
「わわっ…」
水羊羹を手にしてお会計を済ませていると、姫川編集長が私の手を握って走り出した。
レジで買った水羊羹を落とさないように持って、走りながら視線を手に向けると、姫川編集長の手は私の手よりも大きくて、私の手はすっぽりと隠れ、うぁ…ドキドキしてくる。
「……」
姫川編集長にドキドキしているのを気づかれないように、無言のまま手を離さずに走り続けた。