私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
「まだ次回発行の雑誌を手掛けているので、異動なんて出来ません!!!」
「うー…ん、俺も最初は抵抗はしたんだけどさ…」
水瀬編集長は困り顔でいるけど、こんな中途半端なタイミングで異動なんて絶対嫌だし、私の方が困っているんだから!
「決まったものは、決まったんだから諦めろよ」
私の背後から男性の低い声がしたので振り向くと、そこに一人の男性が立っていた。
「姫川編集長…」
姫川編集長はタウン情報誌『Focus』を手掛ける部署の編集長で、日に焼けた肌で身長は高いけれど、髪の毛がモジャモジャ、白いワイシャツは袖を半分くらいにまくり、ネクタイはきちんと結ばれてなくて緩まれている。
私から見たらかなりだらしない印象で、私はこの人が苦手だ。
何故なら姫川編集長は見た目もだけど口調もきつく、その威圧から私も周囲もあまり接しないでいる。
「姫川、九条のことを頼んだよ」
「ああ、分かった」
「えっ、ちょ、ちょっと待って下さい!」
水瀬編集長が淡々と話を進めるけれど、私はまだ異動を了承していないし!勝手に話を進められるのは、困るんだけれど。
「決まりは決まりだ、と言っただろ。中学生か?お前は」
私の話を終わらせるかのように、姫川編集長は苛立ちながら言う。
「取りあえず明日から俺の部署に異動だから、引き継ぎは今日中までにしておけ」
「待って下さい、粋なりすぎます。それに…、何で私なんですか?」
異動の理由が明らかになってないし、疑問を持つのは当たり前。
「会議で決まった。俺は戻る」
姫川編集長は踵を返してすたすたと廊下を歩いて、ICカードを使ってフロアの中に入って行った。
「とにかく頑張ってね、九条」
「そんなぁ」
水瀬編集長は私の肩をポンッと叩いてこの場を去ると、一人廊下に取り残された私は力なくしてその場にへたり座る。
せっかく次回発行の雑誌を頑張ってたのに、なんだか悔しい気持ちが沸々となってきた。
絶対もとのファッション部に戻ってみせるんだから!
「うー…ん、俺も最初は抵抗はしたんだけどさ…」
水瀬編集長は困り顔でいるけど、こんな中途半端なタイミングで異動なんて絶対嫌だし、私の方が困っているんだから!
「決まったものは、決まったんだから諦めろよ」
私の背後から男性の低い声がしたので振り向くと、そこに一人の男性が立っていた。
「姫川編集長…」
姫川編集長はタウン情報誌『Focus』を手掛ける部署の編集長で、日に焼けた肌で身長は高いけれど、髪の毛がモジャモジャ、白いワイシャツは袖を半分くらいにまくり、ネクタイはきちんと結ばれてなくて緩まれている。
私から見たらかなりだらしない印象で、私はこの人が苦手だ。
何故なら姫川編集長は見た目もだけど口調もきつく、その威圧から私も周囲もあまり接しないでいる。
「姫川、九条のことを頼んだよ」
「ああ、分かった」
「えっ、ちょ、ちょっと待って下さい!」
水瀬編集長が淡々と話を進めるけれど、私はまだ異動を了承していないし!勝手に話を進められるのは、困るんだけれど。
「決まりは決まりだ、と言っただろ。中学生か?お前は」
私の話を終わらせるかのように、姫川編集長は苛立ちながら言う。
「取りあえず明日から俺の部署に異動だから、引き継ぎは今日中までにしておけ」
「待って下さい、粋なりすぎます。それに…、何で私なんですか?」
異動の理由が明らかになってないし、疑問を持つのは当たり前。
「会議で決まった。俺は戻る」
姫川編集長は踵を返してすたすたと廊下を歩いて、ICカードを使ってフロアの中に入って行った。
「とにかく頑張ってね、九条」
「そんなぁ」
水瀬編集長は私の肩をポンッと叩いてこの場を去ると、一人廊下に取り残された私は力なくしてその場にへたり座る。
せっかく次回発行の雑誌を頑張ってたのに、なんだか悔しい気持ちが沸々となってきた。
絶対もとのファッション部に戻ってみせるんだから!