俺の妹が可愛すぎて。


試合はほんと順調に進み、俺の高校と互角くらいの学校だったけど、見事勝利し、一回戦を突破出来た。

これも風馬はじめ、みんなの団結力のお陰だ。


「風馬、お疲れ!お前、やっぱすげぇな、スタミナもあるし」


試合中、動き回っていた風馬はベンチに戻るとさすがに疲れていた様子だったが、ホッとしたのか、「はぁ〜…とりあえず松丘先輩には怒られずに済んだ」とベンチに突っ伏していた。

スタミナがあるのは晴も同じで、試合が終わった途端、優花に「俺、どうだった?!」としつこく訊いていた。



「……晴って、栗原さんのこと好きなの?」


その様子を眺めながら、透子が俺に訊く。


「え?あぁ……そうじゃね?あの様子じゃ。ってか、晴なんか最初っから優花にマシンガン級の自己紹介してたじゃん」

「あぁ……そうだね」


そうポツリ呟いた透子に、俺はふと思う。


もしかして、透子って晴のこと好きなんじゃ……と。



そんなことを思っていると、

「あ、あのっ……!」


少し緊張した感じの可愛らしい女の子の声が聞こえた。


声の方を振り返ると、今さっき対戦していた学校の体操着を着た女の子が立っていた。


少し茶色のセミロングで、目も大きな可愛らしい女の子。

まだ少しあどけない表情の彼女だけど、
どことなく優花みたいなふんわりとした雰囲気を持っていた。


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