俺の妹が可愛すぎて。


「……あの子、誰?」


まだ状況が読めない優花と晴。


俺は少し離れたところから風馬と麻依ちゃんを見ていた。


麻依ちゃんがまたモジモジしながら、何かを話しているのを、風馬はなんだか恥ずかしそうに頭を掻きながら訊いている二人が見える。


「芝野高のマネージャーの子だって。多分、告白とかじゃね?あの女の子の緊張した感じだと。風馬、やるなぁ(笑)」

「は!?告白っ?!マジ?!ほんとイケメンってずりぃよなぁ…あんな可愛い子に告られてさぁ」


俺が面白がって見ている反面、晴はイライラと拗ねながら見ていた。


「………晴って、告白されたことないんだ?」

「なにその軽蔑した目っ?!」

「………あたし、もとからこんな目なんだけど」


なんとも冷静な返答をする透子と晴とのやり取りが横から聞こえ、俺は笑いそうになった。





帰りのバスに乗り込もうとしている際、後ろにいた風馬に俺は声をかけた。


「……麻依ちゃんって子、何の用だったんだよ?」

「えっ……あぁ…まぁ……なんでもいいじゃん」


言いにくそうに、おまけにそんな恥ずかしそうにされると余計聞きたくなるし、イジメたくなる。


「なに、照れてんだよ(笑)可愛い〜風馬ちゃんは♪」

「わっ!頭、ナデナデすんなよ!」


くしゃくしゃと頭を撫でた手を勢いよく振りほどかれる。


「……告られたんじゃねぇの?もっと喜べば?あんな可愛い子に告られるなんてラッキーじゃん」

「……いや、今日っていうか今さっき会ったばっかだし!そんなこと言われても困るし……」


真っ赤な顔して話す風馬。

やっぱり告白されたらしい。

困ると言っても、そんな顔真っ赤にさせて、しかもなんか悩んでる素振りを見ると、風馬も満更でもなさそうだ。


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