俺の妹が可愛すぎて。
先輩の引退試合は二回戦で敗退してしまい、先輩が引退して俺はキャプテンになった。
夏休みになるまで試合がない為、今まで緊張感のあった活動とはうって変わって、今はなんだかリラックスして楽しみながら活動している。
俺のケガも無事完治して、もう松葉杖もなしに普通に歩けるようになった頃、この時を待っていたように晴が切り出したのだ。
『ダブルデートしようぜ』と。
メンバーを訊いたところ、俺、透子、晴、そして優花の4人だと言う。
俺としてはもうこれ以上は…と気持ちをセーブしておきたいのもあるし、
『は?なんでダブルデート?優花誘って二人でどっかデートすればいいじゃん』
そう晴に言ったのだが、
『え、いや、だってさ〜…いきなり二人っていうのって優花ちゃんが緊張しちゃうじゃん?それに、優花ちゃんもサッカー部マネージャーとして入部したわけだし、親睦会っていうかさ』
『なら、持田誘えば?俺じゃなくたっていいじゃん』
『透子もいるんだから、ユキのほうがいいじゃん!幼馴染なんだからよ〜』
何かにつけて『幼馴染だから』と晴にしつこく言いくるめられ、俺は仕方なくそれを承諾してしまった。
本当は行きたくない。
また前みたいに晴にヤキモチをやいてしまう自分も嫌だし、
第一、家でも学校でも部活動でも優花と顔を合わせているのに、それ以外のところでもとなると……。
色んな優花の仕草や表情を見つけるたびに、気持ちをセーブするのが難しくなる。
それでも少しだけ、気持ちが軽くなったのは、風馬に気持ちをカミングアウトしたことだった。
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