俺の妹が可愛すぎて。
『……今日、試合前にユキから飴もらった時』
ニヤリと笑って風馬が言った。
『……ユキ、それ舐めたらホッとするからって言ったっしょ?ただの何でもない飴なのに。その後、試合中も楽しそうに優花と話してるユキの表情見ちゃったからさ〜…もしかして〜って思って』
『………どんな顔してんだよ、俺』
『さぁ?鏡で見てみたら?』
ニンマリ笑ってそう話す風馬に、若干イラつく。
『………ムカつく』
『……ユキがわかりやすいんだよ。他の人にバレたくなかったら、もうちょっと気をつけたら?』
『………ご忠告どうも』
ほんとに鏡で見てみたい。
俺がどんな顔で優花と話してんのか。
ニヤニヤして鼻の下でも伸ばしているんだろうか。
それとも、情けないくらいに目がへの字になんかに垂れ下がっているんだろうか。
相変わらずニタニタ微笑む風馬を俺は睨みつける。
『なんだよ。さっきも言ったじゃん。応援するって』
『いいよ、別に。ってか、これ以上は……』
そう言いかけた俺に、いつになく真剣に風馬が諭す。
『……好きにならないようにするって?んなの、ユキらしくないじゃん。妹になったから諦めようってーの?そんなの関係なくね?』
『………』
『………知らねぇよ?そうやってユキがグズグズしてる間に松丘先輩に優花取られても』
そう風馬に言われてしまっては、もう返す言葉が見つからなかった。
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