俺の妹が可愛すぎて。


胸当たりまで伸びたこげ茶の髪は、少しだけ毛先が巻いてあって、

白くて柔らかそうな肌、

大きな優しい瞳、

笑った表情は、まるで天使みたいで…。



……やっぱ、晴にはやれねぇわ。




「ユキ、紹介するね。こっちが俺の息子の、風馬。ユキよりは一個下で、この四月からユキと同じ高校に入学するんだ。
風馬もサッカー好きだから、仲良くしてやって。

で、こっちが娘の優花。ユキとは同学年で、優花もユキと同じ高校に転校することになったんだ」


ケーゴさんから一人一人紹介され、俺らはペコリと軽く会釈しながら、挨拶を交わす。


それから運ばれてくるコース料理を堪能しながら、みんなで話をした。


「風馬は高校入学したら、サッカー部に入るんだよな。ユキ、サッカー上手だから色々教わるといいよ」


風馬はコクンと頷く。

風馬はちょっと人見知りらしい。

少しだけ強張った表情と口数の少なさでなんとなくわかる。


「ユキは、今度キャプテンになるんだろ?」

「うん、多分。6月の試合が終わったら、先輩引退になるから。」

「……ポジション…どこなんですか?」


風馬がポツリ呟く。

おぉ、やっと喋った。


「SB(サイドバック)」

「……おぉ」


風馬は小さく感動してた。


…なんかコイツおもしろいかも。




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