俺の妹が可愛すぎて。
お化け屋敷に出た瞬間、ビックリしすぎた自分と解放された安堵から笑い出してしまった。
ずっと無表情の透子は薄っすらと微笑んでいた。
「意外に面白かったかも。な?透子」
「…………」
「透子?」
薄っすらと微笑んでいた透子は、また無表情になるとある一点を見つめたまま黙っている。
だけど、その透子の頬は心なしかピンク色に染まっているように見えて。
「……あ、ごめん」
透子の視線の先には、咄嗟に掴んだままの透子の手。
嫌だったのかなと、俺は慌てて手を離した。
「………いや、別に」
なんだか微妙な空気が流れたので、「叫んだら喉渇いちゃった。どっかでジュース飲も」と切り出し、近くの売店へと向かう。
売店でジュースを2人分買って、近くのベンチで座って休んでいた。
今頃、優花と晴は何してるんだろう。
さっきのお化け屋敷とかで手を繋いだり、観覧車で二人きりになっていい雰囲気になっているかもしれない。
遊園地ってだけで、あんなにテンション上がってた優花だから場の雰囲気に流されて……なんてこともあるかもしれない。
こんなにも近くにいるのに心配で仕方がないなら、どっちみちダブルデートじゃなくて晴と二人きりでどっかデートに出掛けていたとしても、俺は家でこんな風にずっと悶々と考えていたんだろうな。
「……あたし、お手洗い行ってくる」
そう言って透子が立ち上がる。
「え、あぁ。じゃあ、そこのみやげ屋見てていい?」
「うん」
透子がトイレに行ってる間、ヒマだからみやげ屋を見ることにした。
みやげ屋には、遊園地のイメキャラのお菓子やグッズが並んでいた。
特に興味がそそられないそんな商品をなんとなく眺めていきながら、店の片隅に置いてあったあるものに目が止まった。
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