俺の妹が可愛すぎて。
「…………」
「ごめん……何細かいこと言ってんだよって話だよな。
……でも気になったんだ。……俺の勝手な想像でマジ申し訳ないんだけどさ……女の子って……男よりそういうの気になると思うんだけど……」
そう松丘くんに言われて言葉に困る。
球技大会のあの時、ユキちゃんにジュース一口頂戴って言われて、あたしは何の躊躇なく渡したんだ。
頭の中では間接キスになっちゃう…ってドキドキしてたけど、ユキちゃんはそんなの気にしてない感じだったし、あたしも嫌じゃなかったんだ。
……それは、ユキちゃんだから…?
「……ユキちゃんは……頼れるお兄ちゃんって感じだからかな……実際、『お兄ちゃん』だしね」
そう………
兄妹の関係なら、間接キスなんて普通のことだもん…。
「……そっか。そういや、ユキもそんなこと言ってたな。優花ちゃんは可愛い『妹』だって」
知ってるよ。
だって、あたし…訊いちゃったんだもん。
球技大会が終わって、ユキちゃんと松丘くんが保健室にいるって訊いて心配になって、あたしは保健室に向かった。
その扉を開けようとした時、ユキちゃんの言葉が聞こえて、あたしはその扉を開けれなかったんだもん……。
『……好きじゃないよ。可愛いとは思うけど、『妹』としか思えねぇよ』
ユキちゃんのその言葉を訊いた途端、胸が苦しくなって、その場にいることが出来なくなって……
あたしは、誰もいない教室で泣いていた。
なんで、涙が出るの?
なんで、こんなに苦しいの…?
そんな疑問が溢れてくるのと同時にあたしは気づいてしまったんだ。
ユキちゃんのことが……
ーーー好きになってたって。
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