俺の妹が可愛すぎて。


「も〜……サッカーの話なんて面白くなぁ〜い……」


そう言って母さんは俺の肩にコテンと頭をのっける。


「いて。もう、どんだけ飲んでんだよ、こういう時くらい大人しくできねぇの?」


そう言いながら母さんの頭をグイグイ押すが、母さんは肩から離れようとしない。

俺の肩で寝るつもりなんじゃねぇだろうなぁ……。



「……家でもよく飲むの?」


天使が話しかけてくれた。


いや、優花が話しかけてくれた。



「……え、あぁうん。弱いくせに、酒は好きなんだよな」

「……弱くないもん…ムニャムニャ……」



おい、寝ようとしてるな……。



「ふふ。可愛い」


優花はそう言うとニコッと微笑んだ。



いやいや……


お前のほうが100倍可愛いよ!!





母さんが寝ているこの際だから、ケーゴさんに疑問に思ってることを訊いてみた。


「ねぇ、ケーゴさん」

「……ん?」

「……母さんの、どこがいいの?」



俺にとっては、嫌いになんてなれない母さんだけど、


タバコは吸うし、酒は飲むし、

ガキみたいに甘えん坊だし、泣き虫だし、感情の起伏が激しくて、付き合うほうはきっと大変だと思う。



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