俺の妹が可愛すぎて。
松丘くん……気分悪いなんて嘘だ。
さっきの観覧車のことが気まずくて、あたしといるのが嫌なんだろう。
そう思うと悲しくなった。
今日、みんなで楽しく遊園地で遊べるんだって思って楽しみにして来たのに……
。
「………優花?……どした?」
俯いて黙ったままのあたしを心配そうにユキちゃんが声をかけてくれた。
ユキちゃんの声……
少し低くて、優しいトーンの彼の声があたしの心をそっと撫でるように入ってくる。
ほんの数時間、離れていただけなのに……
どうして、こんなにも恋しくて仕方ないんだろう……。
「……あれ?優花、泣いた?」
俯いたままのあたしの顔を少し覗き込んだユキちゃんに、やっぱり気づかれてしまって、あたしは慌てて手で顔を隠そうとしたのに……
「……優花……晴になんかされた?」
ユキちゃんにその手をギュッと握りしめられて……ユキちゃんの真剣に見つめる瞳にあたしの潤んだ瞳が捉えられた。
ユキちゃんがこんなに近くにいることに安心してしまったのと、
さっきの観覧車での出来事と、
今日のみんなとの遊園地が台無しになってしまったのと、
なんだか頭がいっぱいになって、また涙が溢れてくる。
涙が邪魔をして、言葉にならないあたしにユキちゃんは手を握りしめたままゆっくりと歩き出す。
「……ちょっと、座ろっか?」
ユキちゃんはそう言って、ベンチのあるところまで二人で手を繋いで歩いた。
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