俺の妹が可愛すぎて。
だから、さっき返事に困っていたときにちょうど晴が俺らに声をかけてきて…
透子に何も返事をしていないままだった。
「……うん、大丈夫だよ」
優花には心配かけないようにそう言った。
「それよりさ…なんか乗らね?」
せっかく遊園地に来たのに、優花とは全然楽しんでないからと言うと、優花も笑顔になって「うん!」と元気良く答える。
優花の涙はすっかり乾いていて、安心した。
往生際の悪い俺は、少しだけ歩くのが遅く、後ろをトボトボ歩く優花に手を差し出して……
何も言わず、手を繋いだ。
手なんか何度か繋いでるし、兄妹でも手ぐらい繋ぐだろ……そんな言い訳を心ん中でいっぱいして。
本当は欲望に近い。
晴がキスしようとしてたと訊いて、またイライラして、当てつけみたいになっているのもあるし、
何より遊園地に優花と二人で来てるんだから、恋人同士みたいなことをしたい…
そんな欲望で優花に触れた。
本当は俺だって晴のように、
何の障害もなければ、キスだってしたいし、それ以上のことだってしたい……
優花への思いが膨らむにつれて、優花が欲しくて欲しくて堪らなくて……
いつか、その欲望と理性がプツンと切れてしまいそうで怖い。
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