俺の妹が可愛すぎて。
それからさっきまでのことを忘れてしまうくらい、二人ではしゃぎまくって色んなアトラクションに乗った。
多分、はたから見たら恋人みたいに見えるんだろう。
俺はそれを利用して、優花と恋人気分で楽しんでいた。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、気づけば日が暮れかけていた。
「あ、もうこんな時間……。なんかあっという間だなぁ…」
そうさみしそうに呟くということは、少しでも楽しんでくれたんだろうなと、少し嬉しかった。
「……だな。そろそろ、帰らないと」
そう言いかけて、優花の手を引っ張り歩き出した。
そういや、ずっと手繋いでるなぁ…
乗り物に乗ってる時以外、繋いでる。
マジで、恋人みたい。
数歩歩き出したところで、優花が俺の手をグイッと進行方向とは逆方向に引っ張る。
振り返ると、優花は俯いて立ち止まっていた。
俺の手を握ったまま……。
「……優花?」
「………ユキちゃん、最後にワガママ言ってもいい?」
上目遣いで俺を見上げる優花の瞳は、夕暮れ時の太陽の光でキラキラして見えた。
「…なに?もっかいシューティングゲームで勝負とか?あれは、ダメ。優花、弱過ぎ(笑)」
シューティングゲームで三回勝負したけど、優花は惨敗。
だから、三回優花にデコピンしてあげた。
デコピンされて、痛くてデコ押さえて悔しそうに俺を見上げる優花が面白くて面白くて。
イタズラしたり、イジワルしたりしてブスッとする優花が可愛くてたまらない。
……やべぇ、俺、めっちゃSかもしんないって優花からかって初めて知る。
シューティングゲームじゃないと首を振る優花に「じゃあ、なんだよ?」と笑って訊くと、優花は少しだけ真剣な顔で言った。
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