俺の妹が可愛すぎて。


それより風馬はもうちゃっかり、麻依ちゃんとデートなんてもんをしてる。

女なんて興味ないみたいな感じだったのに……ってか、俺、風馬に先越されてねぇ?


「もう帰るとこ?じゃあ一緒に帰ろうよ」


そう優花が言って、俺らは一緒に帰ることにした。


そうなってちょっとホッとした。


さっき優花に自分の気持ちを言いかけたけど、言わなくてよかったと安堵した。


この関係が崩れてしまうのが嫌だから…


気まずくなって、風馬にも迷惑をかけてしまうことになるとそれは困る。


風馬の顔を見て、我に返った。


「……なんか、暗くね?」


遊園地から駅までの道、隣にいた風馬が俺に訊いた。

数メートル先には、もう仲良くなってる優花と麻依ちゃんが楽しそうに話しながら歩いている。


「…へ?そう…?別に、なんもねぇよ」

「……ふ〜ん。なんだ、てっきり優花に告って振られたのかと思った」

「………あぁ…告りそうだったわ」

「……えっ?!!」


風馬は冗談で話を振ったのに、思いがけない俺の返答にマジで驚いていた。


「……マジかよ。展開はやっ」

「……マジかよって、風馬が話振ったんじゃん」

「……そうだけど。なんで、告んなかったの?直前で怖気付いたとか?(笑)」


他人事だからと面白がってそう訊く風馬に、「………そうかもしんない」って苦笑いしか出来なかった。





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