俺の妹が可愛すぎて。


「いや……だから、なんで帰り遅いほうがいいわけ?ってか、なんだよその顔」


洗濯物を干す手を止め、振り返った俺に風馬はペロッしたを出して笑う。


「俺がいなかったら、ユキと優花二人きりで過ごせるじゃん。キスでもエッチでもやりたい放題!…っいて!」


ダイレクトにはっきり言葉にしてしまう風馬にハンガーを投げつけてやる。


「なんだよ、俺気遣ってやってんじゃん。この前の遊園地だって、なんだかんだで二人で楽しんでたみたいだし。いい感じなんじゃねぇの?」


……確かに。

ムードもテンションも上がって、危うく告白しそうだったし。


間接キスをしても、

手を繋いでも、

抱きしめても。


優花はすべてにおいて、俺を受け入れてくれるからバカな俺はもっと…って欲が出る。


笑顔を見るだけじゃ、嫌だ。

その頬に触れたい。

その頬にキスしたい。


優花を好きになるたびに、その欲は増えてデカくなるばっかり。


だから、ダメ。


二人きりになんかなったら、マジで俺、何するかわかんない……。



「……いや、二人きりはマズイんだけど」

「……なんで?」

「………なんでって……」


気まずい感じに下を向いた俺に、風馬は笑う。


「はは(笑)優花のことになると、ユキってマジで弱っ(笑)」


すると風馬は洗濯物カゴの中に手を突っ込み、あるものを手に取るとそれを俺の頭の上に乗せる。


「……今まだ優花寝てるし、今のうちに片手でホック外す練習でもしとけば?(笑)」


そう言うと風馬は「じゃあなぁ♪」と手のひらをヒラヒラさせて去って行った。


頭の上に優花のピンクのブラジャーを乗せられた俺は、風馬の言葉に情景が浮かんでしまって、ため息混じりにその場に突っ伏した。






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