俺の妹が可愛すぎて。


そりゃ風馬の言う通り、出来ることならしたい…。


こんなに目の前にいて、

こんなにも好きになってしまったら…。


欲が出るのは当たり前。


それでも……

いつも邪魔するのは、変わることない現実。


風馬の誘惑より、優花が『妹』であるということが頭によぎって優花に触れていた手を引っ込めて、ベッド脇に肘をつき、優花の幸せそうな寝顔を眺めていた。


しばらくして、優花の瞼が動き、ゆっくりと目を覚ました。


「……ユキ…ちゃん……?」


まだはっきりと目を覚ましていないのか、どうしてここにいるんだろうって感じの表情で俺を見る。


「…はよ。……もう、10時半だよ?母さん達ももう行っちゃったし」

「……え、もう…そんな時間…?……寝過ぎちゃった…。……ふぁ〜」


そう欠伸をしながら、優花が起き上がりベッドに座る。

まだ眠たそうに目を擦る優花が、なんだか無性に可愛く思えて……


「……ん……?」


寝癖混じりの優花の頭に優しく触れた。


「……すっげぇ寝癖」


長く絡まった寝癖頭に触れながら笑うと、優花は恥ずかしそうに笑った。


また優花に触れてしまった自分に、『我慢しろよ、バカ』と心ん中で突っ込んで触れていた手を引っ込めた。


「…ってか、優花がこんな時間まで起きてるなんて珍しいじゃん」

「……うん。本読み出したら、先が気になって眠れなくなっちゃって…寝たの4時くらいなの」


なるほど……。

確かにマンガ読み出したら止まんないし、ゲームなんかやり出したらビックリするくらい時間が経ってたりすることがある。




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