俺の妹が可愛すぎて。


「……飯食う?洗濯物ももう干したから」

「えっ、そうなの?ごめんね」


そう言いながら優花はベッドから立ち上がり、二人一緒に部屋を出る。


階段を降り、優花は洗面所へ、俺はキッチンへと向かう。


その時に一応、言っておかなければと優花を呼び止めた。


「あ、優花」

「ん?なぁに?」


そうふんわりとした笑顔で振り返った優花に、また決意が揺らぎそうになった。


「……風馬も出かけてて、帰り夜遅くなるって」


そう言うと優花は、


「じゃあ今日はユキちゃんと二人きりなんだね、初めてだね」

……ってにっこり笑って洗面所へと歩いて言った。


しばらくして洗面所で顔を洗う水道の音が聞こえた瞬間、俺はリビングのソファにダイブした。



ムリッ!!

あんな笑顔見せられたらムリッ!!

しかも、優花なんて俺を兄ちゃんだと思ってるから警戒心ゼロだし!


兄ちゃんだって思ってるかもしんねぇけど、言わば他人なんだぞ、俺!

しかも男なんだぞ!!


優花が思っていないようなこと、色んなこと思ってんだぞ!



そんな笑顔で笑うなよ。

そんな可愛い顔して、名前呼ぶなよ。





もう倒れかけてるグラグラの俺の決意は、夜までもつのだろうか。


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