俺の妹が可愛すぎて。


「……海で……俺の匂い落ちつくって言っていたじゃん。……だからじゃなくて…?」

「…えっ……あ…あの……そ、それは……」


完全、しどろもどろの優花。


「………今も、近くにいるから…俺の匂いするっしょ?……落ち着く?」

「……い、今は……お、落ち着かな……い」

「………なんで?」


優花の長い髪を指で遊びながら、なんだか焦ってる優花で遊ぶ。


長い髪を絡ませた指でそっと撫でるように優花の耳を撫でると、優花が「……んっ…」って小さく跳ねる。


聞こえないように小さく呟いたつもりなんだろうけど、こんなに近くにいるんじゃ完璧聞こえてるし。


やべぇ……可愛すぎ…。


優花のその声に反応して、身体の中心が熱を帯びたように熱くなる。



「………なぁ、優花。……俺の匂い…好き……?」


耳を撫でながら、耳元で囁く。

優花の匂いがして、優花の首元に顔を埋めたくなる。


すると優花は耳を撫でていた俺の手をギュッと握ると、真っ赤な顔して俺を見る。

その目は俺にイジられて悔しそうな感じにも見えたから、余計そそる。


そして、優花が呟いた言葉に俺の理性が崩れてく。



「………す、好きなのは……ユキちゃんの……匂い……だけじゃ、ないよ」


恥ずかしさからか、少し目を潤ませた優花が俺を見上げる。


その瞬間、俺は優花を引き寄せて抱きしめていた。


二人の間に聞こえる鼓動が、優花の音なのか俺の音なのかわかんない。


「……優花、顔真っ赤。可愛い…」

「……ゆ、ユキちゃんが……変なこと、訊くからだもん」


くぐもった優花の声が耳元で聞こえて、その声が愛しすぎて……

もう……俺、かなりヤバイ……。








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