俺の妹が可愛すぎて。


「……だって風馬が言ってたから確認しただけだもん。……優花って匂いフェチなんだ〜…こっそり、そんなことして優花ってエッチなんじゃん」

「……っ〜」


声にならない声を漏らす優花。


「ゆ、ユキちゃんだって……海の時…あたしの匂い、いい匂いするって匂ってたもん」

「……でも、優花みたいにこっそり匂ってねぇもん」

「……っ〜」


抱きしめてるせいで顔は見えないけど、顔が真っ赤な優花が容易に想像できて笑いそうになる。


すると、優花が「………ユキちゃんはあたしの…匂い……好きじゃない…?」って今度は少し不安そうに俺を見上げた。


優花には悪いけど、そんな不安そうな顔で見上げる表情が可愛くてたまんない。


そして、俺はまだ眠ってる時にしか触れなかった頬に触れる。

俺が頬に触れたせいで、優花の緊張が伝わる。


「……優花の匂い……好きだよ。……でも……俺も……好きなのは……匂いだけじゃねぇよ」


確かな確信を探るように、優花の手を握って、それを引き寄せて………


その確信を確かなものにする為に……


朝、指で触れたばかりのあのピンク色の優花の唇に自分の唇で触れようとした。






のに……



「……っ〜……ダメ〜!」


顔を真っ赤にした優花が近寄る俺の両肩をグイッと押す。

おあずけをくらって、ちょっとムッとした俺に優花は一目散に自分の部屋へと逃げ、ひょこっとドアから顔を出すと、なんとも恥ずかしそうな顔で俺を見ている。


「……お、お風呂入ってから!う、海行ったから、ユキちゃん磯クサイもん!」


明らか恥ずかしがってる言い訳にしか聞こえないので、俺が近寄ると優花はパタンとドアを閉めてシャットダウンする。



「……なに、恥ずかしがってんだよ(笑)さんざん、俺の匂い好きって言っていたくせに(笑)」


ドアの向こうの優花にそう言うと、優花はごにょごにょ言う。


「……今は……今のユキちゃんは磯クサイから…ダメ…」

「……ふ〜ん……」


磯クサイ、磯クサイって……

結局俺の匂いってどんなんなわけ…?(笑)


「………じゃあ……風呂入ってからならいいわけ?」




……優花をめちゃくちゃにしても。








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