俺の妹が可愛すぎて。


これから数十分後……俺は優花に好きだとちゃんと伝えれるんだろうか。


キスだってするかもしれないし、それ以上のことだってするかもしれない。



……もう『妹』なんて、関係ねぇ。


……優花の気持ち……えぐってやる。




あれこれ考えてると、喉が渇いてきて俺は冷蔵庫の扉を開けた。


ほぼ空っぽの冷蔵庫の中にキンキンに冷えて美味しそうな缶ジュースを見つけた。

プシュとプルタブを開けると、炭酸のシュワシュワという音が微かに聞こえた。


勢いよく口に含むと、甘くて爽やかなカシスの味が口いっぱいに広がった。


あんまり味わったことのない味に不思議に思って缶ジュースのパッケージを見る。


だけど、そのパッケージの文字がだんだんとゆがんで見えてくる。






そして………


俺の記憶はそこで途絶えた。









ーーー…


ーーーー…


ーーーーー…。




「……っ〜………」


喉が渇きで目が覚めて、次に激しい頭痛が襲う。


カーテンの隙間に差し込む光が余計頭を痛くさせて、俺はゆっくり身体を起こした。


ガンガン痛む頭を抑えながら、まだ開きかけてた目をゆっくり開けると……


「うわっ!?」


ビックリしすぎた勢いで、ベッドから転げ落ちた。


ベッド脇からそれをそっと覗き込むが、やっぱりそこには間違いなく存在している。


そこには……


俺の隣でスヤスヤと幸せそうに眠る優花がいた。


< 162 / 315 >

この作品をシェア

pagetop