俺の妹が可愛すぎて。


缶ジュース……いや、空の缶チューハイを握り潰してその場に崩れる。


「……おい、ユキ。マジで覚えてねぇの?」


崩れ落ちた床に頬がくっつく。

冷んやりと冷たい床が熱くなった頭を冷やしてくれる。

床の冷たさを冷静に感じながらも、やっぱり昨日のことは全然思い出せない。


「……マジで覚えてねぇ……」


缶ジュースと思って一気飲みしてしまった缶チューハイを飲んでからの記憶がまるでない。



………俺、

あれから何して、優花と二人…一緒のベッドで寝たんだろうか。



「……おい、ユキ。どした?」

「……しっ!ちょっと静かにして。優花、起きるから」


急に立ち上がった俺に風馬が驚いたように駆け寄るから、風馬の肩をポンと叩いて制止させる。


俺は一応確認しようと机の引き出しに入れていた万が一の時の為のモノの存在を確かめる。


あ。……ある。


昨日、確認した時と位置は変わっていないので使ってはいない。



………使ってない……、


いや……使ってなくて、ヤッちゃってたらまずくね……?



変な汗が出てくる。


次に俺は一番の確信になるであろう、優花に被さっている布団のその中身を確認しようと思った。


そろりそろりと優花を起こさないように歩み寄り、ゆっくりと布団を握りしめる。


そして……


恐る恐るその布団をそっと捲った。




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