俺の妹が可愛すぎて。
本来の合宿の意味を忘れ、リゾート気分で来たのは部員だけじゃなかった。
「海、行くかっ!」
「いえ〜いっ!!」
ロッジに着いた途端、先生がそう言い出しワイワイする部員たち。
「……サッカーやんねぇの?」
てっきり練習をすると思って来ている風馬は呆れ顔で呟く。
「いや、もう去年も遊びほうけてたから」
「……全然やる気ねぇじゃん。こういう時こそ、キャプテンがしっかりしねぇといけないんじゃないの?」
そうブツブツ言いながらも、早々にちゃっかり海パンに着替えている風馬を見て、突っ込む言葉もなくなった。
これでもかってくらいの青空に、広がる青い海。
部員たちはバス移動で疲れた身体を癒すように、海ではしゃぎまくる。
先生はというと、昼間っからビール三昧。
「……早く女子たち来ねぇかなぁ♪」
砂浜で寝そべりながら、晴が呟く。
「……ビキニ、見たいだけじゃん」
「……お前もだろ?」
そりゃ、多分優花と気まずい雰囲気でなければ、今頃俺だって晴と一緒でルンルン、ウキウキしながら待っていると思う。
実際に、前、優花と海を見に行ったときだって、合宿で優花の水着姿が見れるかもしれないと少し楽しみにしていた。
でも、まさか優花とこんな気まずくなるなんて思ってもなかったし……。
「あ、来た♪」
そう晴がいやらしい目で見つめる方向を振り返ると……
「……やっば」
ビキニ姿の優花と透子がいた。
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