俺の妹が可愛すぎて。
「はっ?!マジで?なにそれ!?」
夕食後に花火をするとかで、ロッジのそばの広場で花火で盛り上がるみんなをよそに俺と晴、持田は隅のベンチで話をしていた。
もちろん、話は優花の話だった。
晴が俺に言いにくそうに話を切り出したことで、事情を知らない持田はもちろんビックリしていた。
「……そっか。ユキ、透子から訊いたのか」
晴がポツリ呟く。
「なんだよ、それ。いいのかよ、ユキ!」
持田がいつになく声を荒立てる。
「………」
「良くはねぇだろ。だって成宮でしょ?……なに、考えてんだろ、優花ちゃん…」
黙っていると、晴はイライラした感じでそう言った。
「……俺も……優花がわかんね…」
暗くなっている俺らとは正反対に、花火で盛り上がるみんなをボーッと眺めていた。
優花に彼氏が出来たら諦められるかもしれないなんてこと…
晴のときに強く願ったことだった。
だけど、現実はそううまくいかない。
こんなにも胸がモヤモヤして、イライラするなんて思ってなかった。
自分が一番望んでたことなのに、それに瞬時に対応出来ない気持ちがムカついてたまんない。
「……そういや風馬、どこ言ったんだろ…」
花火をしているみんなの中に、風馬がいないことに気づく。
「……まだ飯食ってんじゃねぇの?成長期なんで…とか言って昼飯もすっげぇ食ってたじゃん、あいつ」
蚊に食われたのか、腕をペチンと叩きながら晴が言う。
すると、透子がロッジから走ってこっちに来るのが見えた。
「……ねぇ、栗原さん知らない?」
「へ?一緒に片付けしてたんじゃねぇの?」
「……それが気づいたらいなくて…」
風馬もいないし、優花もいない……。
二人、一緒にいるのかな……とボンヤリ思っていると。
「あ、風馬いるじゃん」
晴がそう指を指した方向には、浜辺の方から歩いてくる風馬がいた。
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