俺の妹が可愛すぎて。
やっぱり無理していたのか、一瞬にして表情が曇った優花に、俺は焦る。
「あ、ごめん!……言いたくなかったら、言わなくていいんだけど。……ごめん。なんか、気になって……」
焦って、そう謝ると優花は無言で首を横に振った。
「……ううん。……でも、パパ達には内緒にしといてくれる……?」
「え……?……あ、うん」
そう返事すると、優花は俯いたまま俺だけにしか聞こえないような小さな声で話してくれた。
「……あの人はね、元彼でも、なんでもないの。
……パパの……昔付き合ってた人の…息子なの。
一つ上の人で、たまたま同じ学校なの。
……パパは、その付き合ってた人と一年くらいで別れてしまって……
原因は、その人の浮気だった。その人は軽い遊び程度だったみたいなんだけど、パパは許さなかった。……それで、別れたの。
でも、その人は数ヶ月くらい復縁を願って何度も家に来たり、電話かけてきたりしてきたんだけど、パパは絶対許さなくて……しばらくして、もうその人からは連絡も何もしてこなくなった。
……でも。
それから、あの男の人があたしの前に現れたの」
優花の悲しそうな表情を見ると、思わず肩をそっと触ったり、手を握りしめたい衝動に駆られた。
でも、俺はわざと鞄の取っ手を強く握りしめることで、それを誤魔化した。
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