俺の妹が可愛すぎて。


優花はというと、俺が来た途端急に俯きだす。

最近は俺と必要最低限の会話しかしていないからって、優花まで気まずい感じの態度で示す。


……こいつら、マジで姉弟だな…表情と態度で感情表しすぎ…。


「……じゃあ、俺、麻依送ってくるから優花頼むな」


そう言って手を降りながら、風馬は駅の方へと歩き出す。

麻依ちゃんも俺と優花に「じゃあ、失礼します」と行儀良くお辞儀をし、風馬のあとについていった。


駅へと歩いて行く二人を見て、二人の会話が想像できるから笑いそうになる。



↓ユキの妄想↓


『もう、風馬!何、怒ってるの?』

『……別に』

『……怒ってるじゃない』

『……』

『……お兄さんをかっこいいって言ったから?』

『……あんなにもユキをかっこいいって言ってテンション上がんなら、ユキと付き合えば?』

『もう、ヤキモチやいてるんだー?』

『……妬いてねぇし!』

『……風馬の方がかっこいいよ♪風馬、大好きっ!』

『……(照れまくる風馬)』



……てな感じで、いいムードになるんだろうな…。

はぁ〜ぁ…羨まし……。



そんな風に風馬と麻依ちゃんとの妄想にため息を落とし、相変わらず俯いたままの優花の前にしゃがみ込んだ。


全然目を合わそうとしない優花は無視して、優花のケガを見ようと足に一瞬触れると、優花は俺の手を避けるように足を引っ込めた。


「……あたしは大丈夫だから…。……ユキちゃんは、透子ちゃんのところ戻ってあげて」


もう優花に避けられんのも、なんか慣れてきた。


優花の言葉は無視して、変わらず足に触れようとする俺の手を、また優花が交わす。



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