俺の妹が可愛すぎて。
「……なにか、あった?」
俺を見上げる優花の表情は、なんだか少し不安そうだった。
だから、俺は少しだけ笑って返す。
「ううん。…透子、もう帰るみたい。晴が送ってくっていうから、俺らは屋台でも行こっか?」
そう言いながら、優花の籠バックを持つ。
「え、透子ちゃん帰るの……?……あ、ユキちゃん呼び出しちゃったから…透子ちゃん、怒っちゃったのかな……」
不安げに俯く優花の手を握って、立たせる。
久々に触れた優花の手は、やっぱりサラサラしていてあったかい。
「怒ってねぇよ。透子んとこ、門限あるし、もうそろそろ遅いじゃん、だから」
優花に念を押して、そう言ったけど、それでも優花は不安そうだった。
だから、俺は優花の頭をポンポンと撫でて違う話をする。
「優花、何食べたい?」
「え?……ん〜……わたあめ…?」
やっぱし、甘党……。
「は?(笑)わたあめ?それ、腹膨れんの?(笑)」
そう言いながら、俺と優花は神社の方へと歩き出す。
「……ユキちゃんは、何食べたい?」
「ん〜……焼き鳥とー……イカ焼き」
「ふふ。なんかおじさんみたい(笑)」
「マジ?すっげぇ定番じゃね?」
そう笑い合いながら、優花と話すのなんてどれぐらいぶりなんだろう。
そんな些細なことで、やっぱり優花が好きなんだと確信していく。
くしゃっと笑う笑顔とか、
眠そうになる優しい声とか、
子どもみたいな無邪気なとことか…
今まで何度も何度も感じていたのに、
久々に感じるこの感覚に、「そうそう、こういうとこが好き」「この顔好き」「
いや、もうそれ可愛すぎだから」とまた何度も何度も気づかされる。
その想いが苦しいはずなのに、優花の笑顔を見ると苦しさよりも、胸が熱くてあったかくなる。
……幸せな気持ちになる。
それが癖になるから、優花を諦めるなんてやっぱりできないのかもしれない。
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