俺の妹が可愛すぎて。
透子ちゃんの様子がおかしかった。
夏休みの部活動中も、あたしとは部活内だけしか話さない。
夏休み、透子ちゃんと会うのは部活動だけだったからあまり気に留めていなかったけど……
新学期になっても、たわいない話もプライベートなこともあまり話さなくなった。
おそらく、あのお祭りの日から透子ちゃんの様子がおかしい。
やっぱりユキちゃんを呼び出してしまったからだと感じた。
そして……
新学期が始まって、数日後…
部活動が終わってから、あたしは透子ちゃんに呼び出された。
「……栗原さん、話があるの」
そう言ってあたしと透子ちゃんは、放課後の屋上へ行った。
それは透子ちゃんからユキちゃんのことが好きだと言われた場所だったから、あまり好きな場所ではなかった。
屋上についた途端、透子ちゃんは口を開く。
「……栗原さん……成宮くんとはどうなの?」
決して明るくない淡々とした口調でそう訊く透子ちゃんが少し怖かった。
「……え……あぁ……実はお祭りのときにケンカしちゃったんだけど……一応、仲直りして、今は仲良くしてるよ?」
そう言うと、あたしに背を向けたままだった透子ちゃんが振り返り、あたしの目をじっと見つめた。
「………だったら……もうこれ以上……ユキに関わらないでくれる……?」
あたしと透子ちゃんの間に舞い込んだ風が少しだけ冷たくて……
もうすぐそこまで秋が来てることを知らせていた。
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