俺の妹が可愛すぎて。


「………あたし……何、してるんだろう……」



そんなこと、初めからわかってた。


ユキちゃんを『お兄ちゃん』としてなんか見れないこと。


戸籍上は『兄妹』でも、

気持ちはそうじゃないこと。


避け続けてても、

逃げ続けてても、


気持ちは変わらないこと。



今だって……


ほんの少しもユキちゃんを『お兄ちゃん』としてなんか見てないこと…。



全部、全部………


もう彼を好きになった瞬間からわかってたんだ。



だから……嫌われようと思ったのに…。



いつまで、あたしは嘘をつくの…?


本当は彼から嫌われたくなんかない。


本当は彼を独り占めしたい。


本当は彼と『兄妹』なんかじゃなく、『恋人』になりたい。









〜♪


携帯の着信音が鳴った。


「……もしもし…」

『あ、優花ちゃん?部活終わった?あのさ〜…「成宮くん…!」


声を上げた。


「……成宮くん……話があるの……」



ペンダントトップを握りしめている手に力を入れた。




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