俺の妹が可愛すぎて。
「……もう家の中だけど、意味ある?」
ユキちゃんがあたしの身体中に塩をまく。
「……さぁ?……でも、何にもしないよりマシじゃね?……ってかさぁ…」
そうユキちゃんが言いかけて、塩をまく手を止める。
じっとあたしを見つめる距離が、もう息づかいまで聞こえてそうなくらい近くて胸が熱くなった。
「………なんで成宮と別れたの…?」
「……え……」
言ってしまおうかと思った。
あたしは初めから……
ユキちゃんのこと、『お兄ちゃん』って思ったことなんかないんだよって…。
だから、別れたんだよ…
ユキちゃんのこと……
独り占めしたくて。
……ユキちゃんが、大好きなんだよって……
「……あ、あの……あたし……「ぎゃあ〜!!」
「どした?!」
突然、風馬の叫び声が聞こえて、ユキちゃんは玄関のほうへと走っていく。
すると、玄関から逃げてきた風馬とリビングのドアのところでぶつかっていた。
「…っいて。なんだよ、でっけぇ声出して」
「……な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、なん、なん、なん、なん、なんかっ……げ、玄関とこに……人が倒れてんだけど……」
「え……」
あたしとユキちゃんが鳥肌が立ったのはほぼ同時だったと思う。
鳥肌が立つ身体を同じタイミングで抱え込んだから。
「……え〜……どうしよ……あたし、おばけ…連れて帰ってきちゃったのかな…?」
「………とりあえず……確認しよ」
そうユキちゃんが言って、ユキちゃんを先頭に三人で玄関にいる何かを確認することにした。
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