俺の妹が可愛すぎて。


「……『お兄ちゃん』?」


顔を赤らめてそう呼ぶ優花につられて、俺まで顔が赤くなる。


「……って、なんか呼びにくくて(笑)…同い歳だもんね。」

「……確かに(笑)俺も一人っ子だから、そういうの呼ばれ慣れてないし…。」


それに、自分のタイプの子に『お兄ちゃん』と呼ばれるとなんとなく、精神的ダメージが強い…。


「……名前でいいよ。俺ももう『優花』って勝手に呼び捨てしてるし。」


そう言うと優花はしばらく考えたかと思うと、急に笑顔になる。


「じゃあ…『ユキちゃん』って呼ぶね。」


優花がそんな笑顔でそう言うから、俺の心拍数はさっきより上がった。


多分、俺は優花のこと『妹』なんて思えないと思う。



もうこの歳になって、妹、弟ができるなんて変な感じだし……




それにーーー……




「あ、メアド教えて。」

「うん、いいよ。」



『もう、家族になるんだからな。』


いつかのケーゴさんの言葉が脳裏を掠める。




「最近、やっとスマホに変えたんだよ。もう、使い方全然わかんなくって。あたし、すっごく機械オンチなの。風馬にもバカにされるの(笑)」


そう話す優花の横顔を、携帯いじるフリをして盗み見る。



もうすぐそこまで『現実』になろうとしてんのに……


俺はちゃんと、優花を、

『妹』として見れんのかな……。












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