俺の妹が可愛すぎて。


「あ、サンキュ」


コップを置かれた小さなテーブルの前に、ベッドを背もたれにして座る。

そして、隣に座った透子がやけに近く感じた。


「……部屋……綺麗過ぎだな。……いつでもこんな片付いてんの?」

「……こうしてないと落ち着かないの」


そう言った透子がまた少し、俺の側に寄る。

そんな透子を少し変だなと横目で見た瞬間、透子がおもむろに制服のリボンを外した。


「……透子…?」


なにしてんだよと言いかけて、透子が俺の目を真っ直ぐ見る。


「……ねぇ……ユキ……しよ?」

「……は?」


向かい合うように座った透子は、次はシャツのボタンを上から外していく。

俺はその手を握って、静止させる。


「ちょっ…ちょっと待て。……急に何してんだよ」

「……急なんかじゃない…」


真っ直ぐ俺を見る透子の目は、何かにすがるような目だった。


「………あたしとユキは恋人なんでしょ…?……当たり前のことなんだよ」

「…………」

「……ねぇ…ユキ……。……あたしに…触って……?」


透子の手を握ったままの手を、透子が自分の胸にあたりに移動さす。


もう少しで透子の胸に当たってしまうギリギリのところで、俺は手を振りほどいた。


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